Japan Risk Management Society since 1978

 

関西大学経済・政治研究所第102回公開講座(平成8911日)

「危機とリスクマネジメント」

日本リスクマネジメント学会理事長

亀井利明

- 冒頭の熱弁録 -

 

  満席の関西大学総合図書館ホール     

 

「阪神大震災と危機管理に関する本は、これまでに300冊以上出版されているが、その中には欠陥商品も多くあります。」

「本と言えば、今日はここに3冊の 有益な書物を持参しました。  『偶然と真相』『世界毒舌大事典』 そして『週間ゴルフダイジェスト』であります。」

「みなさん払いたくないものは何ですか。 私は次の4つのものは払いたくないですね。1.税金、2. 保険料、3.飲み屋のつけ、4.とばくの負けた金、です。 これら4つはリスクマネジメントに関わっております。」

 

「人間の性(さが)について考えてみましょう。 まず第一に、人間は「後悔」の動物です。 みなさんは結婚して良かったと思っておられますか。「しまった」が、必ずあるはずでしょう。決断・決定は後悔の源です。 決断すると、ああすればよかったのではないかと後悔するのです。2者択一の決断が最もリスクが大きいと言えます。」

 

「第二に、人間は「嫉妬」の動物です。 嫉妬には休日がありません。 嫉妬は理性の癌なのです。人間は感性でものを見て、理性で判断します。 これらを蝕むのが嫉妬なのです。」

 

「人間は「危険予知本能に劣る」動物です。さて、この『週間ゴルフダイジェスト』にも、感性でアプローチしろ、と書いてありますね。」

「企業経営者たる者は、日常はうすぼんやりしていて、「理性」の塊のような参謀たちが持ってきたいろいろな案の中から、ひとつを選択するときにこそ、きちんと決断を下せるような「感性」の持ち主でなければなりません。瞬間的意思決定、つまり決断には感性が重要なのです。」

 

「このような瞬間的意思決定力を身につけるのに最良の方法のひとつは、麻雀だと思います。 こういった観点から、私は常日頃より、学生たちに麻雀をおおいに推奨しているのであります(?!)。」

 

「さて、リスクは、地震のように損害のみを生じる純粋危険pure riskと損害と利得の両方を生じる可能性を持つ投機的危険speculative riskの2つに大別されます。学生諸君にとっての投機的危険の最たるものは、「就職」でしょう。」

 

 「「結婚」も人生における大きな投機的危険です。フランスの『世界毒舌大事典』によりますと、「人間は、判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する」とあります。さらに、「結婚とは無害な物質が結合し、毒物を生成する可能性のある科学的実験である」とあります。」

 

というような熱弁・脱線を経て、本質論についての熱演が展開されました。その内容につきましては、「リスクマネジメント理論の体系(講演のレジュメ)」の部分をご覧下さい。


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